アーサー王伝説  Artus-Sage   The Saga of King Arthur


ジョン・ノイマイヤーによるバレエ


音楽
ジャン・シベリウス 他
テンペスト(嵐) 作品109 第1番、第2番
交響曲第1番 ホ短調 作品39
レミカイネン 作品22 第2番、第3番

振付・演出・舞台美術
ジョン・ノイマイヤー

衣裳
シルヴィア・シュトラハマー

照明
ジョン・ノイマイヤー



2時間30分(休憩1回) 



初演
1982年12月12日  ハンブルク・バレエ  ハンブルク


初演時のキャスト
アーサー王  フランソワ・クラウス
マーリン  マックス・ミディネット
グウィネヴィア  コリーン・スコット
湖のランスロット  ケヴィン・へイゲン
エレイン  ジジ・ハイヤット
モルガン  リン・チャールズ
モルドレッド  ガマル・グーダ
イグレーヌ  ベアトリス・コルデュア
ユーサー・ペンドラゴン  Steven Majewicz
ガラハッド  ジャン・ジャック・へルマン


再演時のキャスト
アーサー王  フランソワ・クラウス
マーリン  マックス・ミディネット
グウィネヴィア  コリーン・スコット
湖のランスロット  ヨハネス・クリツィンガー
エレイン  ジジ・ハイヤット
モルガン  シャンタル・ルフェーヴル
モルドレッド  ガマル・グーダ
イグレーヌ  ベアトリス・コルデュア
ユーサー・ペンドラゴン  ステファン・ピア
ガラハッド  ジェフリー・カーク


あらすじ

第1幕

1 始まり
湖 - マーリン - エクスカリバー

2 アーサー - 系譜
マーリンはアーサーの系譜を思い起こす。

3 カオス
アーサーは剣エクスカリバーを見つける
アーサーはこの剣の神秘的な力を発見する
アーサーは王になる

4 使命
マーリンはアーサーを教育する
湖のランスロットは騎士としてアーサーに仕えることを申し出る
アーサーはランスロットを慈しみ、ランスロットもアーサーを敬慕する
アーサーの異父姉妖姫モルガンがアーサーを誘惑する
アーサーはマーリンに助けられて円卓の騎士団を創る

5 結婚式 - 最盛期
グウィネヴィアはアーサーの宮廷にやって来る
アーサーとグウィネヴィアは結婚する
グウィネヴィアはアーサーを愛し、アーサーもグィネヴィアを愛する
グウィネヴィアとランスロットが出会う
グウィネヴィアはランスロットを愛し、ランスロットもグウィネヴィアを愛する
ランスロットはアーサーの宮廷を去る。

6 モードレッド
アーサーと妖姫モルガンの息子モルドレッドは母によって父の宮廷に送られる
モルドレッドは自分の周りに徒党を集める
グウィネヴィアのもとから去ったランスロットは森で聖杯を奉じているエレインに出会う
ランスロットの心はグウィネヴィアのことでいっぱいだ
錯乱の中でランスロットはエレインをグィネヴィアと思い、彼女の元に留まる
モルドレッドがアーサーの宮殿にやって来る

7 幕間 -  マーリンと妖姫モルガン
マーリンは妖姫モルガンの魔法に敗れ、自分の魔力を彼女に渡してしまう
アーサーはマーリンの助言を求め空しい努力をする

8 ひび割れ
ランスロットはエレインがだましていたことに気づく
エレインはランスロットを愛したが、彼はこの愛に答えることができず、彼女の元を去る
エレインはランスロットの息子のガラハッドを産む、ガラハッドは完全な騎士で後に聖杯を見出す
アーサーは息子のモルドレッドと争いをする
モルドレッドはアーサーを愛するが、アーサーはモルドレッドを愛することができずに彼を追放しする、
グウィネヴィアはアーサーを優しく慰める
ランスロットはアーサーの宮廷に戻ってくる
グウィネヴィアとランスロットは互いの恋心に身を委ねる
アーサーは円卓の騎士団崩壊の幻覚を見る
ランスロットは精神的に混乱して再び宮廷を去る
騎士ガラハッドが現れる
ガラハッドは聖杯探しの旅に出発する
アーサーとグウィネヴィアはそのまま留まる


第2幕

1 “聖杯探し”の夢
円卓の騎士たちは聖杯を探すが空しい
パルツィヴァル、ボース、ガラハッドは聖杯を見る
ガラハッドは神に召される

2 冬
アーサーとグウィネヴィアは騎士の帰還を待っている
騎士たちの中には聖杯を見つけることはできなかったが帰って来る者もいる
ランスロットも後悔しアーサーの宮廷に再びやってくるが狂気が現れている

3 再会
グウィネヴィアはランスロットの状態を悲しむ
ランスロットはグウィネヴィアに抗おうとするが無駄である
ランスロットとグウィネヴィアは再び互いの恋心に身を委ねる

4 破壊
ランスロットとグウィネヴィアはモルドレッドとその徒党に見つかる
ランスロットはグウィネヴィアとともに逃れようとする
戦いの中で彼は一番若い騎士ガレスを殺す
アーサーが現れる
アーサー、ランスロット、グウィネヴィアは互いに別れる

5 瞑想
アーサーはガレスの死と彼の生涯をかけてやりとげようとしたことが壊れたことを悲しんでいる
アーサーは間近に迫った戦いの準備をする
アーサーはマーリンが彼のもとにエクスカリバーを持ってきてくれることを夢見る

6 王国の滅亡
戦い - 混沌
アーサーは最後にエクスカリバーを使う
アーサーはモルドレッドを殺し、自身もモルドレッドにより致命傷を受ける
湖の水が戦場に溢れ、アーサーをアヴァロンの島へ運ぶ
ランスロットとグウィネヴィアは戦場に残る

(以上はカンパニーのサイトに拠る。S)

アーサー王伝説に登場する人物の名前の表記にはとても困りました。その上、どうもノイマイヤーはいくつかのキャラクターを一人の人物に与えているように思えるところもあり、悩ましい限りでした。一応、日本公演の時のプログラムがあるのですが、それとは少し違っています。
まず、タイトルロールのアーサーですが、アルトゥースとすべきなのかどうかということですが、英語のタイトルが“The Saga of King Arthur”ですので、まずこれはアーサーにしました。
グウィネヴィアに関しても、ギネヴィア等様々な表記があるが、ちくま文庫の“アーサー王の死”の表記をとりました。
ランスロットはフランス語ではランスロ、上記の本ではラーンスロットなのですが、ここでは一般に膾炙していると思われるランスロットを採用。
エレイン、ランスロットの子供を産んだのはペレス王の娘だが、そのキャラクターのランスロットに恋焦がれる様はアストラットの美姫エレインが入っているように思えます。
モルガン(Morgane)はアーサーの異父姉のモルゴースとモルガンを融合したものだろう。モルドレッドを産むのはモルゴースだが、名前はモルガン(マーリンから魔力を取り上げることといい)なのでこのあたりもキャラクターの融合があるのだろう。
モルドレッドもモードレッドと今まで書いてきたのだが、モルドレッドと書いてあるのを目にするのでモルドレッドという表記にしました。
キャスト表にはないが、聖杯を見つける3人の騎士のボースもボールスともいわれるようだ。
もうちょっと詳しく表にでもまとめたいと思うのですが、時間がありません。とりあえずは、上記に挙げたちくま文庫の“アーサー王の死”がお手軽かとも思います。これはマロリーの“アーサー王の死”のキャクストンによるダイジェスト版ですが概要を知るには十分かと思います。
他にアーサー王関連では下記のサイトも。
無限∞空間 http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/index.htm
Wikipedia アーサー王 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E7%8E%8B
この項続く
(S)